
オンライン連続講座(全三回)「新しい女よ、ダンジョンは生ける光の陰影へ:第一章」
Multiple Spiritsはオンライン・スタディ・プラットフォーム&勉強会シリーズ「月に奔る」を始めます!
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第一弾となる連続講座は「新しい女よ、ダンジョンは生ける光の陰影へ」。異なる分野からゲストを迎えることで、「新しい女」という概念を現代的な視点からみるとともに、新たな思考の枠組みを共に探っていきます。とりわけ、日本の女性解放運動の矛盾や忘却、性やセクシュアリティ、再生産性をめぐる表象や物語とスピリチュアリティ、そこから生じる暴力を再認識することを通じて、現代におけるクィアフェミニスト的な実践と創造への足がかりとなることを目指します。そして、資本主義・植民地主義・帝国主義といった制度が生み出す格差、差別、暴力のなかで、いかに抵抗していくのかという現代的な実践へと開いていきます。
19世紀後期にイギリスで生み出され、近代化によって世界各地へと広がった「新しい女」という概念は、家父長制度における旧来の保守的な女性像を覆し、近代教育と女性解放運動、そしてその思想に大きな影響を及ぼしました。日本においても、自らの言葉で語り、行動しはじめた「新しい女」が大きな渦を作り社会を変えていきました。しかし一方で、当時の植民地主義と近代家父長制社会のなかにおける「新しい女」は、さらなる摩擦や軋轢を生み出しました。
Multiple Spiritsの創刊号(2018年)の表紙は、1911年の『青鞜』創刊号の表紙(作:長沼智恵子)をアプロプリエーションしています。平塚らいてうが初代編集長をつとめた『青鞜』は、西洋のアール・ヌーヴォーの美学を踏襲しながら、近代文学や近代芸術の最初期にあたる実験性に満ちた文学雑誌であるだけでなく、女性解放運動の場でもありました。彼女らが芸術的かつ政治的な実践として実現しようとしたのは、自立した自由な人間であることでした。しかしながら、日本のマスメディアや世間は、そのような女性をわがままでふしだらな「新しい女」と揶揄しました。
「新しい女よ、ダンジョンは生ける光の陰影へ:第一章」は「新しい女」の歴史的な経緯を踏まえながらも、同時代の芸術運動やアナキズム、階級闘争などの社会運動との交差性、また現代にも繋がる女性の身体性とスピリチュアリティといった側面に焦点を当てます。
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第1回:9月25日(木)19時〜21時|ゲスト講師:橋迫 瑞穂
「『聖なるもの』をめぐる文化史--スピリチュアル・コンテンツとジェンダー」
第2回:10月11日(土)19時〜21時|ゲスト講師:足立 元
「アール・ヌーヴォーがつなぐアナキズムとフェミニズム」
アール・ヌーヴォーは、ミュシャの絵のような、髪やツタが回転し波打つ造形のスタイルにとどまりません。それは近代日本において、アナキズムとフェミニズムをつなぐ、自由な精神のスタイルでもありました。このレクチャーでは、『平民新聞』、『青鞜』、黒耀会、赤瀾会など、アール・ヌーヴォーが様々な媒体や集団・個人に現れてきた歴史を振り返り、現在の新しい表現や運動についても考えます。
第3回:10月24日(金)19時〜21時|ゲスト講師:山口 みどり
「『新しい女性』の誕生とイギリス社会――憧れと反発の背景を探る」
「新しい女性New Woman」とは、19世紀末の英米で伝統的な価値観に反旗を翻す女性像につけられた呼び名です。「新しい女性」への憧れと反発は、世界各地に伝染し、いくつもの波となりました。この波は日本にも届き、「青鞜社」(1911年設立)に代表される「新しい女」を生み出しました。本レクチャーでは、波の発信源イギリスの社会に目を向け、「新しい女性」たちが生まれた背景を探っていきます。
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ゲスト講師プロフィール
橋迫 瑞穂
立教大学社会学研究科博士課程後期課程修了(博士)。大阪公立大学HIRC研究員。専門分野は文化社会学、宗教社会学、ジェンダー。主な著書に『占いをまとう少女たち--雑誌「マイバースデイ」とスピリチュアリティ」(2019年、青弓社)『妊娠・出産をめぐるスピリチュアリティ』(2021年、集英社)など。他にも小説やゲーム、ゴシック・ロリータなど広くサブカルチャーについて研究している。
足立 元
美術史・社会史。現在、二松学舎大学准教授、望月桂調査団代表、日本美術オーラル・ヒストリー・アーカイヴ共同代表。主な著作に『アナキズム美術史』(平凡社、2023年)、『裏切られた美術』(ブリュッケ、2019年)。編著に『新しい女は瞬間である 尾竹紅吉著作集』(皓星社、2023年)。企画展に「望月桂 自由を扶くひと」(原爆の図丸木美術館、2025年)。
山口 みどり
英国エセックス大学社会学部大学院博士課程修了PhD (Sociology) 。大東文化大学社会学部教授。専門イギリス近代史・ジェンダー史。主要業績:Daughters of the Anglican Clergy: Religion, Gender and Identity in Victorian England (Palgrave Macmillan, 2014)、山口みどり他編『論点・ジェンダー史学』(ミネルヴァ,2023年)、山口みどり・中野嘉子共編『憧れの感情史――アジアの近代と〈新しい女性〉』(作品社、2023年)、L・ダヴィドフ、C・ホール著/山口みどり他訳『家族の命運――イングランド中産階級の男と女 1780~1850』(名古屋大学出版会、2019年)などがある。
使用アプリケーション:ZOOM
※各レクチャー終了後1か月間、アーカイブ視聴が可能です。
受講料
全3回受講 6,000円
1回受講 2,200円
【学割】
全3回受講 4,000円
1回受講 1,500円
注意事項:遅刻、早退、欠席等の理由の如何にかかわらず、一度お納めいただいた受講料は原則ご返金できません。
プロジェクトコーディネーター:神川 美優
助成:一般財団法人おおさか創造千島財団
(オンライン・スタディ・プラットフォーム「月に奔る」)
お問い合わせ:multiple.spirits★gmail.com
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